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ぼちぼち のんびり ゆっくりと
久しぶりに童話を書いてみました。
至らない所だらけで恥ずかしい限りですが、
よろしければお読み下さいませ。




童話「赤鬼デンと花ごはん」1


四月になって、オレは小学三年生になった。
オレはカン太。
勉強は好きじゃないけど、体育は好き。給食も好き。
植物を育てるのが好きで、特に花が大好きだ。
そして、となりの席のヤツは、デン。
小さくてころころしていて、人と話をするのが苦手であんまりしゃべらないけど、なかなか良いヤツだ。
でも、デンはちょっと……ううん、かなり変わってる。
ここだけの話、実はデンは赤鬼なんだ。
オレの学校は代々赤鬼の子どもが入学する小学校だ。
(父ちゃんのクラスにも一人の赤鬼の子がいたって、言っていた)
最近まで赤鬼の子は入学して来なかったんだけど、オレが小学校に入学する時、デンが一緒に入学して来た。
一、二年生の時は同じクラスにならなかった。
でも、三年生になってようやく同じクラスになったんだ。
オレはすごく楽しみだった。
赤鬼の子と同じクラスなんて、ドキドキするよな。
デンは、その名の通り、全身まっかっかだ。
もじゃもじゃの黄色の髪をしていて、眉毛もものすごく太い。目もぎょろっとしている。
さすがに鬼のシマシマパンツはマズイのか、Tシャツと半ズボンを着て学校に来ている。
角と牙も、もちろんあるんだけど、学校にいる間は隠しているそうだ。
クラスのみんなにけがをさせてはいけないからだってさ。
出したり引っ込めたり自由にできるんだ。すげえよなあ。
デンは机を何個も軽々持ち上げる力持ちだし、二つの山を越えて(しかも走って!)学校に来ているから走るのも早いし、
困っている人がいたらだまって助けてくれる優しいヤツなんだ。
だから、デンはクラスの人気者だ。
もちろんオレも気に入っている。
だけど、やっぱりデンは変わったヤツだと思うんだ。
それは、給食の時間になると良くわかる。
四時間目が終わり、給食の時間になった。
「いただきます!!」
みんな大きな声で挨拶をして、給食が始まった。
今日の給食は大好きなカレーだったから、みんなわくわくしている。
もちろん、オレもだ。
でも。
となりのデンは違っていた。
デンは、横に置いてあった大きな袋から、いそいそとお弁当箱を取り出した。
それは、お正月に食べるおせちが入っているあの三段の箱だ。
その箱を一個ずつ順番に机の上に並べた。
その中には。
たくさんの花がキュウキュウに入っていた。
赤色、青色、オレンジ色。小さい花からにぎりこぶしくらいの大きな花まで、いろいろだ。
つみたてみたいにプルプルしてとてもきれいだった。
デンは満足そうにうなずくと、その花を食べ始めた。
手づかみで。
もぐもぐ、もぐもぐ、おいしそうに。
そう、デンは普通のご飯が食べられない。
花しか食べられないんだ。
最初はオレもびっくりした。
デンが花しか食べられないことも、その大きなお弁当箱にも。
本当にたくさんの花が毎日毎日お弁当箱に入っているんだ。
それも新鮮できれいな花ばかり。
オレはずーっと不思議だった。
どうやってあんなにたくさんお花を手に入れているんだろうって。
デンのことだから、どっかから盗んで来たなんてことはないだろうし。
どこかのお店で買ってるのかな?
どうしているんだろう。聞いたら教えてくれるかな?
美味しそうに食べるデンをちらりと見て、オレも負けないようにカレーを食べるのに集中した。
うん、今日もウマイ!


「赤鬼デンと花ごはん」2へ続く
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