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さらさら日記

ぼちぼち のんびり ゆっくりと

お題始めます!

お題を始めようと思います。
土・日曜日に更新していく予定です。

『ほのぼの10題』

01:君のための一日
02:空に舞う綿毛を追いかけて
03:花を摘みに
04:夕暮れ時の海を見に行こう
05:水平線の、その向こう
06:きらきら輝く
07:日が暮れる前に行けるところまで
08:二回目の散歩
09:鞄いっぱいの夢
10:例え明日が雨になっても

まずは、「01:君のための一日」から。

下の読むからどうぞ!!
 
 

01:君のための一日

◆ライトからマーナへ

マーナへ
君の住んでいる町から随分と遠くまで来てしまいました。
元気ですか? 体調、崩していませんか?
ようやく、僕はトイスの町に来ることができました。
なかなか見つからなくて、かなり時間が経ってしまったけれど。
何とか見つけることができました。
トイスは、地図にきちんと載っていた町です。
マーナにも見せたよね。地図。
でも、実際に来て見ると、とても町とは言えない状況になっていました。
……だって、トイスには誰もいなかったんだ。
あるのは、今にも崩れてしまいそうな砂の建物だけ。

誰もいない砂に飲み込まれたこの町は、とてもとても静かです。
ああ、猫がいたな。
真っ黒の猫。
今も僕の膝の上で眠っています。
長い間何も食べてないようで、持っていたほし芋をあげると物凄い勢いでハグハグと食べていました。
しばらくはコイツが僕のお供になるみたいです。

灰色の町並みはとても静かでさみしく不安になります。
どうしてこんな風になったのか、語る人が誰もいないからです。
どこかの町に人々は移ったのか、それとも消えてしまったのか……。
謎だらけです。
先生が何故この町に行きなさいと言ったのか、少しわかったような気がします。
僕の膝の上で眠っているこの子猫は、きっと全てを知っているんだろうな。
だけど、あいにく猫はしゃべれない。
仕方がないので、もうしばらくこの町に居ようと思います。

それにしても。
ようやく、この町にたどり着くことができました。長かったな。
後はこの町の謎を解いたら終わり。帰れるよ。
帰ったら、そうだな、君にいつも我慢ばかりさせているから、君のための一日を作ろうと思います。
ああでも君はきっと一日じゃ足りないわって言うんだろうな。
本当、その通りだ。
取り合えず、君のための最初の一日に何がしたいか考えておいてください。
何でもいいよ。
わがまま言って。
僕が帰るまでに、決めておいてね。
なるべく早く帰るから。

それでは、また。
ライトから大切なマーナへ。
ぽかりと浮かぶ細い月が静かできれいなトイスの町から。

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お題配布先→追憶の苑様(http://farfalle.x0.to/

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