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ぼちぼち のんびり ゆっくりと

<ほのぼの10題>


07:日が暮れる前に行けるところまで

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◆ライトからマーナへ

マーナへ
こんばんは、マーナ。
今、トイスとシェリナの半分を過ぎたくらいにある山の中の小さな村にいます。
山深い所にある村なので、随分と寒く感じます。
日が暮れる前に行けるとこまで行きたくて頑張ったのですが、この山を越えるのはちょっとムリだったみたいです。
夜も更けてこの村に着いたのだけれど、誰も家に泊めてくれなくて。
この寒さで野宿はしんどいなと思っていたら、突然、マナが歩き出したんだ。
ひょこひょことね。
そして、ある古い家のドアの前に立ったかと思うと、「にゃあ」とひとつ鳴いたんだ。
小さな小さな泣き声だった。
本当なら聞こえるはずのない声なのに、ドアがゆっくりと開いて。
一人のがんこそうなおじいさんが出てきたんだ。
「にゃあ、にゃあ」
と鳴くマナを一瞥して、僕を見て。そして、家に入りなさいって言ってくれたんだ。

温かなお風呂とスープをいただいて、ふかふかのベッドがある小さな部屋に入らせてもらって、今、手紙を書いています。
……また、マナに助けられたよ。
今、マナはこの部屋にはいません。
さっきのおじいさんの所にいます。
ひざの上で気持ち良さそうに眠っていました。
まるで昔からおじいさんのことを知っていたみたいに、ずっとおじいさんの側から離れません。
おじいさんもまた、何も語らず、ただ優しくマナを撫でるだけ。
なんだか僕はそこに入っていってはいけないような気がして、そっと、この部屋に戻りました。
もしかして、もしかしてだけど、おじいさんはトイスにいた人かもしれません。
僕の憶測だけれど。
明日、聞けるようなら聞いてみようかなと思ってます。
おじいさんはトイスのことをご存知ですかって……。
答えてはもらえないかもしれないけどね。
もしかしたら、マーナにマナを紹介できないかもしれないな。
ここに残りたいマナを無理矢理シェリナに行かすことはできないからね。
マナのしたいようにさせてあげたいと思います。

ああ、随分、風が強くなってきた。
窓を叩く風音が強くなってきたよ。木達も激しく揺れています。
窓から見える空は、真っ暗で星がひとつも見えません。
明日は晴れるといいのだけれど。
それでは、また。
ライトから大切なマーナへ。
温かな暖炉の前で静かに眠るマナとおじいさんを思いながら。

それから。
「帰る場所」はいつもマーナの所だと思ってるし、願っているよ。
いつもありがとう。

 お題配布先→追憶の苑様(http://farfalle.x0.to/

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